介護職の過剰介助が自立を妨げる理由

高齢者や障害を持つ方にとって介護職の支援はなくてはならないものですが、すべてのことに手を貸してしまうと意外な問題が起きることがあります。それは、介護を受ける人の自立を妨げるというものです。人は自分でできることを自分で行うことによって、精神的にも肉体的にも健康を保てます。自分のことを自分でできる喜びや達成感は、人の心を豊かにし、生きがいにつながることも多いのです。しかし、介護職が過剰に手を貸してしまうと、介護を受ける人は自分でできることも他人に依存するようになり、その結果、自分で何かをする力や意欲が徐々に失われてしまいます。

また、自分でできることを他人が代わりに行うことは、その人の身体能力の低下を招く原因にもなります。例えば、歩ける人がいつも車いすを使って移動するようになった場合、歩く力が衰えてしまい、最終的には本当に歩けなくなってしまう可能性があります。こうして、過剰介助は利用者の自立を妨げ、身体的な能力まで奪ってしまう恐れがあるのです。

このように、介護職が利用者の全てに手を貸すのは、一見親切に見えるかもしれませんが、実はその人の自立心や身体能力を奪うことにつながるため、避けるべき行為です。介護をする際は、利用者が自分でできることはできる限り自分で行えるように、サポートの仕方を工夫することが大切です。これによって、介護を受ける人の自立を促し、より質の高い生活を送ることができるようになります。